手回しハンドル

  ともかく便利だ、便利だと言われながら30年近く、手回しハンドルは所有していませんでした。今般U氏のラインシャフト切削の記事をまとめていて、殆ど手回しハンドルで加工したと言う記載に、ま、ともかくやってみようか!と思い立ちました。手元には、そのためのナベヤの80φの円板ハンドルがあります。

  実はASD305Hの改造の時、ボール盤のプーリーの内クリを経験しました。道中40ミリの内クリも大丈夫という自信がついたので、ボーリングを敢行しました。ML210の主軸はφ15.5なので、φ15.8で何とか納まりました。ヌルリと入る感触は、工作屋の快感です。元法ではテーパをネジで引いて内側からカシめる固定法ですが、なにそんな面倒な事もあるまいと、キャップネジ(M4)1本で済ませました。主軸には一部そのための受けの部分がありますし。

 取り付けてみました。主軸をゆっくりまわす、あるいは半回転を繰り返す場合は使えるでしょう。卑近な例は動輪のバランスウエイトの削り込みかもしれません。とりあえず旋盤に装着です。

 でも、気分は少し空しいです。本来工法は目的ではなく手段であるべき、このように作りたいので、この工具を開発してこういう工法を行った、というのがあるべき姿です。手回しハンドルが便利そうだから、取りあえず作ってみました、では、話は完結しませんね。今日のトライアルは、現在行っている大きなプロジェクトの一つとご理解ください。手回しハンドルが有用と感じる日が来る事を念じつつ・・・・・。
 ちなみに、このハンドルは2ケ作りました。1号機、2号機用でしたが、考えてみると1号機はドローバコレット専用機なので、手回しハンドルが活躍する余地はありません。どなたか、欲しい方いますか?
 追伸!実はロッドピンのネジ切りの時、プーリを回転させながら切ってました。このハンドルなら何山ネジを切るか管理出来そうです。