Automatic Mallet

  今日はちょっと工具の話題。何しろ連休明けで仕事は5割増しで、へろへろです。porter mine の屋根は明日曲げます。
  ケガキの十字に正確にポンチングすることは金属工作の基本中の基本ですが、薄い真鍮板にゴツいポンチとハンマで打ってもセンタを外す事が多いでしょう。模型を始めた頃、親友のDfさんが、ライターの発火装置を応用したオートポンチを作ってくれて、しばらくそれを愛用していました。ある時、虫歯の治療で歯医者さんで、義歯を嵌めてもらいましたが、その時このポンチでコンと打たれました。その感触が何とも良かったので「先生、その工具見せて下さい!」とずうずうしく見せてもらったのがこの工具との出会いです。依頼30年近く、ポンチはこの工具です。もちろんDfさんにも作ってあげましたし、多くのお友達にも提供しました。今回8名の方から注文をいただき、歯科材料屋に発注しました。30年前の工具がモデルチェンジもせずにまだ発売されているのは感激ですし、またこの工具の完成度、耐久性の素晴らしさだとおもいます。写真は7本ですが、実は1本は試作してもう発送してしまいました。

  本来は先端に木の棒を取り付けて軽く打ち付ける工具です。ですから、ポンチの先は付属してはおらず、作らなくてはなりません。

  非常に不思議な偶然で、安く入手してポキポキ折っている超硬ドリルのシャンクがこの工具にぴったりなのです。外径はφ3.18で綺麗に嵌め合います。φ2.4と同様φ3.2も回転工具の基本シャンク寸法なのでしょうね。ですから、折れた超硬ドリルの先を研磨して差し込めば作業終了です。超硬ドリルの研磨はドレメルとダイヤモンドヤスリで行いました。あまり先端は鋭角にしない方が良いようです。勿論118度なんで出来るわけありませんし。

  バネが少し強いのでカットして調整し、ポンチを嵌め込み完成です。すべて、試し打ちしました。

  試し打ちの画像です。ケガキ線をすべらせると十字で止まりますので、そこでグッと押せばポンチング出来ます。

  本当に正確な孔あけは、クロステーブルとセンタドリルによらざるを得ませんが、そういう機械工具に頼らず、手作業でポンチマークを打って、ある程度技術を身につけ、その技術の限界を悟ってから、電動工具の導入に進むのが本来の道だと思います。ケガキやポンチングを習得せずに、いきなり機械加工はいかがなものか?でも、現在の加工業は手作業の難しさと限界をすっとばして、いきなりNC加工にいっちゃってますね。あの石巻のUさんはさる工業大学の非常勤講師になりかけたのですよ。もし、この工具にご興味があればご連絡ください。若干高価ですが、末永く使える、絶対お勧めの工具です。そして、多分模型作りでこれを使っている方はおられないとおもいますので。