立山山行(3)命の選択

  下山の前に別山に登りました。もちろん劔岳を拝むためです。女性的なたおやかな峰々の中に雄々しく黒々とそびえる岩と雪の殿堂。

  穂高岳と並んで、難度の高いこの山は遠く憧れ見るだけ。そして反対側を見れば、薬師岳が女性的な美しい姿で佇んでいます。

  今日も快晴。360°の眺望は帰りたく無くなりますね。針の木岳とスバリ岳。

  多分これは水晶岳、若い頃大好きだった自分だけの山。北アルプスの最深部です。この山から赤牛岳を経て黒部湖に至るルートはとうとう果たせませんでした。

  もちろん鹿島槍から五竜、唐松、白馬まで後立山連峰もかつてはすべて走破しました。そんな若い頃を思い出しながら、命の洗濯をし、10年は若返って下山しました。下界は暑く、そちらはとても辛かったです。かくして今年の山行は思いがけずの僥倖で、元気をもらって来ました。