アシナAST305

  確かに通常の模型人にとってタッピングボール盤までは必要としないでしょう。しかし、部品を量産しなければならなくなると、これ程便利な物もありません。アシナのタッピングボール盤AST305は非常にレアだと思いますが、逆転機構が面白くて、しかもM1〜2.5までしか使えないという、模型向きの代物でした。尊敬するS先輩に欲しいと頼まれては何とかしなくてはなりません。入手しました。シリアルナンバーは158でした。コンのが124ですので、多分数百台程度の生産だったのでしょう。

  明らかに町工場の機械です。こんなタップが取り付けられていました。首の所に「逃げ」が彫られていて、折損防止策ですね。こんなことは町工場しかしません。

  錆を落として、スワイプである程度拭きあげ、配線は全部やり直します。今回はモータ交換も必要でしたが、幸いにしてマウントが共通だったのと、プーリが簡単に外れたので作業は楽でした。200V→100Vのモータ交換も、町工場の機械を再利用する場合には避けられません。インバータより信頼性は高いと思います。

  配線はすべて圧着端子です。以前は古い電線で苦労しましたが、新しい電線に交換すると作業も楽でした。

  逆転機構はカム方式で。二重プーリに正回転と逆回転するようにバンコードをかけます。この方式は前回解明出来るまで悩みましたが、解明出来た時には「ヤッタネ!」と膝を打ったものです。

  かくして、モータ交換がすみ、整備されたASD305とAST305は仲良くS先輩に嫁ぐことになりました。少しトウがたってますけれど(笑)。
  明日からフォーニィに戻ります。