段付きアンビルの思い出

  段付きアンビルはコンの数少ないオリジナル技法なのですが、裏話があります。このアンビルは中学生からの愛用品。t1真鍮板をビス止めして、段をつけて使っていました。その時の画像はTMS571号の61ページにあります。コンがまだいわき市に勤務していた頃、Iさんというフライス工とお友達になりました。Iさんは、コンの工作室を見て、吃驚したわけですが、このアンビルは許せないと言われました。そして、その場で持ち去り、翌日このような姿で持ってきました。「フルバックがあるから、こんな加工は簡単さ。底も鋳物のままでグラグラだから、6面フライスかけといたよ」というわけで、この姿になったのです。ビスの孔はそのまま残り、初期にどうやったか?思い出させてくれます。

  KKCを立ち上げた時、まっさきに作ったのがこの段付きアンビル。もちろんIさんにお願いして20ケ作り、すぐに完売でした。そうして20ケづつの量産が10回程になりますか、もう200台くらい世の中に出ました。材料のコバ削りや、小さな部品のヤスリ掛けから、糸鋸の台、そしてハンダ付けの治具、キャブの組み立て等、これほど多方面に使える工具も少ないと思います。頒布した方からは、喜びと絶賛の声を頂いています。材料はナベヤの1キロで、当初1000円でしたが、近年は2000円を超え、価格もアップしました。鋳物は初期のものが良かったようです。一番最新の製品は、鉄が硬く加工に難渋したそうです。奥に写っているのは兄貴分の3キロですが、Oゲージでも大きいかも知れません。

  この赤い段付きアンビルは、工作台のマスコットとして、多くの友人に愛用されています。最近はDさんのオプティカルセンタポンチの撮影台にもなってました。よくブログでこのアンビルに作品を乗せて撮影している画像を見る事があります。
  もともとはお友達限定の工具でしたが、ご希望があれば一般の方にも頒布したいと思って居ます。ご連絡お待ちしております。