ハイトゲージ

  およそ、金属工作を志向して精度の良い加工を目指したいなら、ケガきはハイトゲージに限ります。確かに、ノギスでもケガく事は出来ますが、ハイトゲージを一度でも使えばもう後戻りは出来ません。コンは20年以上カノンの15cm(これは絶版で絶対入手不可能)を愛用し、震災では下敷きになりましたが、奇跡的に無事でした。そのことは以前ブログに書きました。現在ある原稿を書いており、ハイトゲージに関して色々調べてみました。すると、計測器ではナンバーワンのミツトヨから発売されていた簡易型ハイトゲージH4 15は既に廃版になっている事を知りました。小売りに少し残っていますが、いずれ無くなるでしょう。すると、模型用の小型のハイトゲージはH4 20ということになります。もっとも新潟精機からVHK15という15cmのものが発売されていて、価格もミツトヨに半分です。ブランドにこだわらなければ、新潟のものと定盤とブロックがあれば正確なカガきは約束されてます。ところが、オークションでミツトヨの15cmが出品されました。画像が無いのですが、これはゲットしようと落札しました。そして吃驚したのです。

  右がカノン、左がミツトヨです。スケールやバーニヤの位置が左右逆です。これは何なんでしょう?詳しく見てみると、これはミツトヨの15cmのノギスをハイトゲージに作りなおしたものの様です。つまりH4シリーズより前の製品です。スクライバは相当摩耗して、このハイトゲージは永年酷使されたことを物語ってます。スクライバは研磨しなおして、いいかげんなビスのついていた止めネジは交換し、二台目のハイトゲージとして、工房に納まりました。

  え?どうして二台使うの?ですか?それは、二台あれば、寸法を決めた状態で、もう一つでまた別な作業が出来るでしょ?旋盤やフライス盤を2台使っているのと同じ事です。そうしたら、石巻方面から「このバチ当たり!」という罵声が飛んできました。もう還暦過ぎて、完成蒸機を絶対買わないのですから、工具道楽だけは許して下さいよ。来年は石定盤とデジタルのハイトゲージの導入を考えてます。冬になると、油が固まってハイトゲージの滑りが悪くなるので、石定盤が欲しいな(このバチ当たり!!)