Package

  明日講演があり、工作ははかどりません。ま、何とか講演の準備はしました。
  例のポーターの改造キットのパッケージを済ませました。60セットGKさんに卸します。説明書も出来てます。問題は圧力計のパーツで、例の方法で旋盤で削り出した後、すべてのパーツにφ0.3の孔を穿けました。奇跡的にドリルは1本も折ってません。ワークをバイスにきちんと把持して、シルキータッチで穿ければドリルも折れないのですね。もっとも材料も快削真鍮ですから。

  さて、いったい模型製作とは、工芸なのかどうかということで、アマゾンで柳宗悦というひとの「工芸文化」という本と、その反論である出川直樹氏の「民芸、理論の崩壊と様式の誕生」という本をちょっぴりかじりました。何を言いたいのか良くわからず、単に理屈をこねているだけかな?とも感じましたし、一番残念なことに、「作る楽しさ」について全く言及されていませんでした。作品の善し悪しを判定する基準や理論はいろいろあるでしょう。でもそういう評論家が作り手より上とは絶対思えません。「あなた、そういうなら作ってご覧なさい!見てあげますから」と言いたくなります。柳氏は機械で作ったものは、工芸ではなく品物だと言っています。模型で言えば、金型をNCで精密に作ったプラ製品等がそういう範疇に入りそうです。以前の「暴言」を反省し、コンはそういう量産品をどうこう申し上げるつもりはありませんし、ロストやエッチングで量産する事で手間を省いて作っているコンも同じ事とと言われそうですので、論点を変えます。言いたいのは、「作る楽しさ」です。モノを作る事はとても楽しい事だと思いますし、楽しめるからこそ忙しい合間に模型を作ったりするわけです。決して生活のため、利益を得る為ではありません。作る事そのものに楽しさを感じるのが工芸の本質だと思っています。これは模型に限らす、陶芸でも、絵画でも、フィギイアでも、プラモでも同じ事です。方法やアプローチは違っても、楽しむ事、それが一番だと思います。TMSの特集シリーズの「楽しい鉄道模型」が絶版となったのが、何とも残念です。