いのうえ氏の著書

  鉄道研究家のいのうえ・こーいち氏がこのような本を上梓されました。

  これは機関車の歴史書です。これまで、ワークス毎であれば「系譜図」「機関車史研究会の一連の図書」、形式番号順であれば金田氏の著書、歴史書としては川上幸義氏の「新日本鉄道史、私の蒸気機関車史」などがあります。極めつけは「機関車表」となりますが、いのうえ氏は別な観点から機関車の歴史をまとめられました。B-6とかA-8が何で、いつ改番されてどうなったか?といったことを調べられる貴重な本です。イラストは形態のみで、これはおそらく「形式図集成」を元にしたのであろうと拝察しています。圧巻は私鉄から国鉄編入された機関車群で、これらの記述に関しては追随を許さない感があります。作業局、鉄道院、そして鉄道省国鉄と変遷した経緯も非常に分りやすく、機関車好きの方にお奨めです。JTBパブリッシングから刊行されており、税別\3800です。
  余談ですが、いのうえ氏のように著者名をひらがな表記としてハイフンでつなぐのは、おそらく「なかお・ゆたか」氏が嚆矢だと思います。その後、数名の方がこのような表記をされていますが、なかなかカッコ良いと思います。ただし残念ながら、コンのようなダサイ名前だとダメですね(笑)。