初めてのナロー

  相変わらず旧いお話でお閑をいただきます。
  軽便祭に応募した「ベアトリス」はナローの2作目でした。その前に、試作として赤井氏のガソリン機関車を作りました。もちろんフルスクラッチです。16番では蒸機を数両作っていましたので、2軸ならロッド駆動で問題あるまいと、つぼみのφ8.5プレート動輪で下回りを作りました。22才の頃と記憶しています。

  しかしギクシャクしてロクに走りませんでした。ロッドや下回りの調整に費やした時間は計り知れません。コロがすとスムーズにコロがるのに、モーターで駆動するとギクシャクの繰り返し、少しずつロッドの孔を広げては、ガタガタに成る程調整しました。そして、どうもこのゲージでロッド駆動はかなりの難関である事を悟りました。小さい程許容誤差が小さくなるわけですからあたりまえのことなのですけれど。で、しばらくは展示台の肥になっていましたが、第1作を邪見に扱うのもいかがなものかと思い立ち、乗工社のプラフレームに履き替えました。ロッドは撤去です。これでとりあえず走るようにはなりましたが、サイドロッドも無く、ま、これが腕の未熟の象徴とこのままにしてあります。

  結局あとにも先にもDLはこれだけ。キットは組みましたがスクラッチはしませんでした。今引っ張り出して見て見ると、何とフェルトバーンのDLやあのBタンクにも共通したプロポーションです。キャブは大きめ、ボイラ(機械室)は小さくて低め。技術は未熟でも、ナローの香りは最初から感じていたんですね。