スクラッチビルダの夢

  明日は上京していろいろ打ち合わせがあり、その準備が終わったので、ガイドヨークにかかりましたが、もう12時をまわっており、材料の切り出しで終わりました。

  ある機関車が欲しい、製品は無い、じゃ作るしかない。
  この機関車も欲しい、製品はある、しかし高い、じゃ作ってみよう。
  あれ?このキットで作れるな、それじゃキットを組んで不満な所は自作しよう。
というのがコンの基本的な創作動機です。しかし時には、
  ああ、一生に一輛、完璧な機関車を作りたい。何処に出しても、誰に見せても恥ずかしく無い、会心の機関車を1輛でいいから作りたい。
という気持ちもあります。過去にもそうやって挑戦し、ある時には挫折、ある時には妥協して完成(つまり気に入らない)。決して会心の作は出来てはいません。喩えは変ですが、あるモノ作りの職人が晩年「結局満足出来るものは一つもなかった」と語る事が多いのに似ています。時には「これが俺の一生モノの作品だ。これ以外はすべてカスだ!」という羨ましい方もいるでしょう。そういう求道的な模型製作がスクラッチビルドなのかもしれません。先日のOJの会でそのことを強く感じました。同時にOJの作品で、途中で気に入らなくなって放置されている作品も少なく無い事を知っています。完璧を目指すなら、作り直しの連続で、完成に至らないかも知れません。どこかで妥協する時に、同時に夢も壊れていくわけですね。このBrooks、HOeの自作機関車として高いレベルを目指しました。しかし、所詮は叶わぬ夢だったのかも知れません。あと少しで完成ですが、何となく嬉しくないのです。