旧い話(2)つぼみの木曽B-1リアータンク

  晴れて大学生となり、上京した時に「科学教材社」に行きました。「ニットー(日東)教材」だったかもしれません。「子供の科学」の巻末に宣伝が出てました。もちろん天賞堂なんて知りません。どうしても欲しかったのがこのつぼみの木曽森林でした。今にしてみればじつに不格好だったのですが、当時はこのアンバランスに大変な魅力を感じ、森林Bタンクとこの機関車がコンの蒸機製作の端緒となったのです。でもそのお店にはありませんでした。どうしても欲しいと店員さんにお願いしたのですが「鉄道屋はしつこいな、ない物はないよ。」と言われて引き下がりました。その店員さんが誰であったかは後日判明しました。

  その後入手出来てフォーニィに改造した事は以前にお話ししました。それにしても16番で動輪径が8.5ミリはガニマタにも程があります。


  しかし、それでも木曽のBLWの雰囲気は十分ありました。これは、ある意味では16番とは何であるか?を如実に示した製品と言えなくもありません。すなわちナローでも標準軌でもサブロクでも16.5ミリの軌間の線路で違和感のないバランスをとってまとめるという事です。いわゆる○×タイプです。この16番の良く言えば柔軟な、悪く言えばいい加減な考え方で作られた16番の木曽BLWは鉄道模型の歴史の中では特筆すべきモデルであったと思います。画像の機関車は近年オークションで入手した物で、改造せず、このまま所有しておきたいと思います。森林Bタンクの多くがそのままファンの手元で眠っているように・・・。